全羅南道新安で新種の恐竜発見、国民的アニメから命名
全南大学韓国恐竜研究センターおよび米国テキサス大学オースティン校のチョン・ジョンユン博士チームは、2026年3月19日、国際学術誌「Fossil Record(フォッシル・レコード)」を通じて、全羅南道新安郡(シンアングン)で発見された新種の恐竜に、韓国で最も愛されている漫画キャラクター「赤ちゃん恐竜ドゥーリー」の名を冠した「ドゥーリーサウルス・フミニ(Doolysaurus huhmini)」という学名を付与したと発表しました。これは、韓国のポップカルチャーが科学の世界においてもその象徴的な地位を確立したことを示す、極めて異例かつ象徴的な出来事として注目を集めています。
この新種の恐竜は、2023年に当時の恐竜研究センター所属だったチョ・ヘミン博士(現・国立光州科学館)によって、新安郡押海島(アッヘド)の中期白亜紀「一聖山層(イルソンサン層)」で初めて発見されました。数年にわたる精密な解剖学的分析、組織学的調査、そして系統発生学的分析を経て、ようやく2026年の今日、正式な学名として世界に認められることとなりました。韓国の文化遺産とも言えるキャラクターの名前が学術的な名称として採用されたのは、K-コンテンツの影響力が学術分野にまで波及している現状を如実に物語っています。

「赤ちゃん恐竜」を裏付ける科学的根拠
論文の筆頭著者であり通信著者でもあるチョン・ジョンユン博士は、今回の命名について「ドゥーリーは韓国において全世代が知っている非常に有名で象徴的な恐竜キャラクターです。今回発見された化石標本が0歳から2歳程度の幼い個体、つまり『赤ちゃん』であったことから、ドゥーリーを記念する名前としてこれ以上のものはないと判断しました」と述べています。実際に、化石のサイズや骨の組織学的分析の結果、この個体はまだ完全に成長していない「赤ちゃん」であったことが確認されています。
ドゥーリーサウルスは、約1億1300万年前から9400万年前の中期白亜紀に東アジアと北アメリカに生息していた「テスケロサウルス科(thescelosaurid)」に属する二足歩行の恐竜です。発見された標本は七面鳥ほどの大きさですが、成体になればその約2倍の大きさにまで成長したと推定されています。また、この恐竜の体は綿毛のような繊維状の構造、いわゆる原始的な羽毛で覆われていた可能性が高いという点も、現代の古生物学における興味深い発見の一つです。これは、アニメの中のつるりとしたドゥーリーの姿とは対照的ですが、科学的なリアリティを伴った「実写版ドゥーリー」の姿としてファンに驚きを与えています。
「まさかドゥーリーが実在したなんて。しかも本当に『赤ちゃん恐竜』の状態で発見されるなんて、まるでドラマのような展開です。韓国の科学者たちのセンスに脱帽します。」(SNSプラットフォームInstizのユーザーコメント)
「フミニ」に込められた韓国恐竜研究の歴史
学名の後半部分である種小名「フミニ(huhmini)」は、全南大学韓国恐竜研究センターの設立者であり、現・国家遺産庁長を務めるホ・ミン(Huh Min)博士の名前に由来しています。ホ博士は過去30年以上にわたり、韓国国内の恐竜研究の基盤を築き、ユネスコと協力して韓国の恐竜化石産地の保存と世界遺産登録に尽力してきた人物です。今回の命名は、韓国の古生物学界を牽引してきた先駆者への敬意と、国民的キャラクターへの愛情が融合した形となりました。
研究チームは、ドゥーリーサウルスの胃の部分から「胃石(gastrolith)」と呼ばれる小さな石が多数発見されたことも明らかにしました。これは、この恐竜が植物や昆虫、あるいは小さな動物を摂取する「雑食性」であったことを強く示唆しています。アニメのドゥーリーが多様な食べ物を好む設定ともどこか重なる部分があり、研究チームはこの偶然の一致を楽しみながら分析を進めたといいます。テスケロサウルス科の恐竜は、その機敏な動きと適応能力の高さで知られており、当時の生態系において重要な役割を果たしていたと考えられています。

K-カルチャーと科学の融合がもたらす影響
今回の発表は、単なる科学的発見に留まらず、韓国のソフトパワーがどのように社会のあらゆる局面に浸透しているかを示す好例となりました。これまでも、新種の生物に有名人の名前が付けられるケース(例:BTSのメンバーや有名俳優など)は世界的に見られましたが、一国の国民的アニメキャラクターが正式な学名として採用されるのは非常に珍しいケースです。これにより、若年層や一般市民の古生物学に対する関心が飛躍的に高まることが期待されています。
実際に、発表直後から韓国の主要なオンラインコミュニティやSNSでは「ドゥーリーサウルス」がトレンド入りし、多くのファンが自作のイラストやアニメのキャプチャ画像を投稿して祝福しています。特に、1983年に漫画家キム・スジョン氏によって生み出されたドゥーリーは、1980年代から2020年代に至るまで、世代を超えて愛され続けているキャラクターです。今回の命名により、ドゥーリーはもはや架空の存在ではなく、1億年前の歴史に刻まれた実在の証として、新たな生命を吹き込まれたと言えるでしょう。
「子供の頃、テレビの前でドゥーリーを応援していた世代として、自分の国にドゥーリーという名前の恐竜がいたことが誇らしいです。新安に行って、実際の化石を見てみたい。」(30代のネットユーザー)
新安郡と恐竜研究の未来
化石が発見された全羅南道新安郡は、以前から多くの恐竜の卵の化石や足跡が発見されるなど、古生物学的に重要な地域として知られてきました。今回のドゥーリーサウルスの発見と命名により、新安郡は「ドゥーリーの故郷」としての新たな観光・教育的価値を得ることになります。新安郡の関係者は、今回の発表を受けて、ドゥーリーサウルスの化石を一般公開するための特別展示や、家族連れを対象とした教育プログラムの拡充を検討していると述べています。
チョン・ジョンユン博士率いる研究チームは、今後も一聖山層における追加の調査を継続する予定です。ドゥーリーサウルスの成体の化石や、同じ生息域にいた他の動植物の痕跡を発見することで、中期白亜紀の朝鮮半島の生態系をより詳細に解明することを目指しています。今回の発見は、韓国が恐竜研究の辺境ではなく、独自の進化を遂げた多様な種が存在した重要な拠点であったことを世界に再認識させる契機となりました。
「科学は時として冷たく難しいものに感じられますが、こうして親しみやすいキャラクターを通じて語られることで、私たちの生活にぐっと近づいてくる気がします。ドゥーリーサウルスが、韓国の科学技術と文化の架け橋になることを願っています。」(大学関係者のコメント)
SYNC SEOULでは、この歴史的な発見を記念し、後日ドゥーリーサウルスの原案者であるキム・スジョン先生への独占インタビューも予定しています。国民的キャラクターが1億年の時を超えて科学的名声を得たことについて、どのような感想を抱いているのか、ファンの皆様もぜひご期待ください。追加の詳細は、国家遺産庁および全南大学韓国恐竜研究センターの公式チャンネルを通じて随時発表される予定です。
—
*本記事は2026年3月19日に発表された国際学術誌「Fossil Record」の掲載論文および公式プレスリリースに基づき作成されました。*



